引きこもりは発達障害が原因?その割合や対処法、支援団体について!

 

近年、教育現場では“発達障害”というワードが定着しつつあります。

発達障害とは、授業中に立ち歩きをしてしまうADHD(注意欠陥多動性障害)や、読み書きなどに困難を抱えるLD(学習障害)、自閉症などの症状のために、学校などで集団行動ができない障害です。

発達障害の子供に振り回され、授業がたびたび中断してしまい、先生も対応に苦慮しているようです。

 

最近ではどの学校にも、発達障害の子供のための通級学級が設けられたり、担任とは別に発達障害の子供に対応するための補助員やスクールカウンセラーを配置する学校も増えてきました。

文部科学省の発表では、通級学級を受けている児童が9万人を超え、1993年度と比べて、約7倍に増えているそうです。

今回は、発達障害を抱えた人が学校を卒業した後、どのような課題があるのかをお伝えします。

発達障害による引きこもりってあるの?

発達障害と引きこもりはどんな関係があるのでしょう。

なじめない

発達障害を抱えた人は集団行動が苦手なため、高校や大学に進学しても学校での生活や学校での人間関係になじめず、不登校、退学、そして引きこもりに陥ることが珍しくありません。

内閣府が発表した「子ども・若者白書」で、引きこもりになった原因として、「学校になじめなかった」と「人間関係がうまくいかなかった」で、18.7%高い比率となっており、集団行動が苦手という要素が如実にでています。

価値観の違い

発達障害を抱えた人は、健常者の価値観と違うことはしばしばあります。

一般的な「学校に行かないといけない」、「単位を取らないと卒業できない」という発想が稀有で、「学校はつまんないから必要はない」、「他に楽しいことや、やりたいことがある」と直情的な価値観に支配されがちです。

このため学校に行くよりも、家で1日中ゲームをする、SNSを使って同じ価値観の人たちでの交流をする、といった行動が主となり、引きこもりとなっていきます。

発達障害者の引きこもりの割合とは?

発達障害を抱えた人は、集団行動が苦手ゆえに、学校になじめない、価値観の違いから、引きこもりになることが多々あります。

それでは、発達障害を抱えた人が引きこもりになってしまうケースは、どれくらいなのでしょうか?

4人に1人

徳島大学大学院の引きこもりに関する研究によると、引きこもりの約4分の1が発達障害または発達障害の可能性が高いと報告されています。

特に男性が顕著で、引きこもりのうち発達障害または発達障害の可能性が高い人は、女性は15.8%に対し、男性はなんと26.3%と高い割合になっています。

発達障害の9割が無自覚で未受診

発達障害という言葉が一般的に使われ始めたのはここ数年のことですが、以前から「変わったやつ」と言われた人は存在しており、以前から、ADHD(注意欠陥多動性障害)や、LD(学習障害)、軽度の自閉症などの症状をもった人は存在していました。

ここで症状名や障害名でとらえるようになったのです。

症状名や障害名でとらえるようになり、また、学校の相談員やスクールカウンセラーからのアドバイスで専門科での受診や、治療、服薬、専門の教育プログラムなどを受ける人が増えてきていますが、それでもまだ約9割の発達障害を抱えた人は、障害の認識がなく未受診となっています。

発達障害の引きこもりを支援する団体とは?

発達障害によって引き起こされている引きこもりを支援する方法や団体について、次にあげる5つの年代別にお伝えします。

  • 就学前世代
  • 小学校、中学校世代
  • 高校生・大学生世代
  • 成人世代
  • 高齢者世代

一つずつ紹介していきましょう。

就学前世代:保健士の活用

では1つ目の、就学前世代についてですが、お住いの市区町村の保健センターや、都道府県の保健所に保健士が配置されており、発育に関する相談事業を行っています。公的機関ですので相談は無料です。

小学校、中学校世代:スクールカウンセラーの活用

次に2つ目の、小学校、中学校世代ですが、通学している学校に配置されている相談員やスクールカウンセラーに相談してみましょう。

もし通学している学校に相談員やスクールカウンセラーが配置されていない場合は、都道府県の児童相談所に相談してみましょう。

また市区町村によっては子供サポートセンターや地域の児童館でも相談事業を行っているところもあります。こちらも公的機関なので相談は無料です。

高校生・大学生世代:子供に合った学校を選択

次に3つ目の、高校生、大学生世代ですが、発達障害を抱えた引きこもりや引きこもりだった人が多く通う高校や、発達障害の学生に多方面の配慮をしている大学があります。

こういった発達障害に関するノウハウや理解のある高校や大学を選択し、そこで学校側の支援をうけながら卒業を目指すという選択があります。この手の学校は、まだまだ校数は少ないものの、着実に広がっています。

成人世代:NPO法人や会社の支援

次に4つ目の、成人世代ですが、実はここが一番厳しい世代です。

というのも未就園児は保健部署や子供部署、小学校と中学校は教育委員会、高齢者は福祉部署と、それぞれ市区町村や都道府県といった公的機関に相談できましたが、成人は生活保護や障害手帳保持者でないかぎり限り公的な相談窓口が存在しません。

 

最近では民間組織による引きこもりの課題解決に向けた取り組みを有料で行うサービスも増えてきましたが、サービス内容に応じて費用がかかるので、利用前によく費用について確認した方がいいでしょう。

民間サービス以外では、引きこもりを支援しているNPO法人や、発達障害や引きこもりに理解のある企業、仕事以外の面でもサポートをして人財育成に力を入れている企業、子供が引きこもりとなっている親が運営している家族会など、お住まいの地域にある社会資源を社会福祉協議会などで調べて活用しましょう。

高齢者世代:地域包括支援センター

最後に5つ目の高齢者ですが、高齢者の場合は、市区町村内に点在している地域包括支援センターに相談しましょう。

高齢者の発達障害の場合は、アパートの更新などの手続きができない、金銭管理ができない、部屋を片付けることができなく、ごみ屋敷となってしまうことがしばしばあります。

特に独居の高齢者で発達障害を抱えている方は、孤立無援の状態になることがあるので、早めに地域包括支援センターに相談しましょう。こちらも公的機関なので相談は無料です。

発達障害で引きこもりになってしまった場合の就職は可能?

発達障害を抱えている場合、小学校と中学校では通級学級などのサポートを受けられますが、中学校を卒業した後は公的なサポートはなくなります。

そして成人になれば社会人として働くことが望ましいのですが、はたして就職はできるのでしょうか?発達障害で引きこもりになった場合の就職先について、次の3つをご紹介します。

  • 在宅ワーク
  • ポスティング
  • 起業

では、それぞれ説明していきます。

在宅ワーク

在宅ワークは、家のパソコンでデータ入力や、ゲームソフトのテスト、デザイン、会議録の作成などがあります。在宅での仕事なので、自分の家で、自分の都合のいい時間に、着の身着のままで仕事ができるので、職場での集団行動が苦手、朝起きるのが苦手、満員電車が苦手という人向けといえるでしょう。

また、パソコンを使ったデザインなどは、人と違う感性を最大限発揮できる可能性を秘めています。

ポスティング

ポスティングは、業者から送られてきたチラシやタウン誌などを、業者から指定されたエリアのポストに投函する仕事です。

夜や早朝なら人と接することが皆無なので、人と話すのが苦手という人向けと言えます。また、早朝の新聞配達も早朝で人と接することがない仕事です。

新聞配達は、ポスティングよりも時給が高いというメリットがありますが、基本的にバイクに乗れること、毎日同じ間に配布することが引きこもりにとっては課題となります。

起業

発達障害ゆえに、集団行動ができない、みんなと価値観や感性が違う、ということから引きこもりになった場合、朝起きて会社に行き、みんなで仕事をする、というのはかなりハードルが高く、せっかく働き始めても長続きしない、といったことも多々あります。

そこで、人と違った自分の感性、自分らしさを活用するために自分でパソコンを使った仕事の会社を立ち上げるという方法もあります。つまり社長になることです。

これなら自分の家で、自分の都合のいい時間に、自分らしさをだすことができます。例えばアスペルガーの人は、一般の人よりもデータのパターン化などを読み取る力が長けているので、データアナリストの仕事を請け負う会社などを立ち上げるのがお薦めです。

その他にもデザインや作曲、細かい作業を伴う工作物の作成など、発達障害のマイナスにとらえがちな人と違う感性を、むしろセールスポイントとして活かせることができます。

刑務所でも、以前は出所後に向けて自動車の整備や木材加工の技術を習得させていましたが、最近では、パソコンを使った仕事を習得させている刑務所もあるほど、在宅におけるパソコン業務は仕事の中でも大きなウエイトを占めています。

“欠点”ではなく“特徴“

ちょっと古い話ですが、日本のプロ野球チームの監督だった野村監督(南海、ヤクルト、阪神、楽天)は、他チームで戦力外(クビ)になった選手を自チームに入れて活躍させたことが多々あり、「野村再生工場」と呼ばれていました。

野村監督曰く「欠点を直して平均化するよりも、欠点を特徴としていかに活かすか」を考えていたそうです。

発達障害も同じです。一般的な人と同じような生活スタイルや感性、価値観にさせることは大変難しいです。人と違う生活スタイルや感性、価値観を特徴として活かす方法を見つけることが支援の基本といえるでしょう。

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